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にがりで便秘を自然に整える|アーユルヴェーダとヨガ講師が教えるミネラルケアの効果

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はじめに

台所を整理していたとき、ふと見つけた2本の「にがり」。
お豆腐を作ろうと思っていたのか、お米を炊く時に入れようとしたのか——すっかり購入目的を忘れていました。

けれど今の私は、「にがりをどんなふうに活かせるだろう?」と、セルフケアや家族のケアの視点で考えるようになりました。ちょうどその頃、お母様の便秘がきっかけで体調を崩されたという話を伺いました。大変になる前に、少しでも自然な形でケアできたら安心ですよね。

にがりとは?海の恵みが凝縮された健康素材

にがりは、海水から塩を作るときに得られる副産物で、主成分は塩化マグネシウム(MgCl₂)
豆腐を固める以外にも、美容・健康・腸内環境のサポートなど、多くの働きを持つミネラルです。

マグネシウムには腸に水分を集め、便をやわらかくして排出を助ける作用があります。
市販の便秘薬にも「酸化マグネシウム」が使われていることからも、その力の大きさがわかります。

にがりが便秘に役立つ理由

現代栄養学の視点では、マグネシウムが腸に水分を集め、便をやわらかくして排泄を助けます。
アーユルヴェーダの視点では、にがりは「塩味(ラサ)」をもち、ヴァータ(風のエネルギー)の乱れを鎮め、腸を潤すと考えられます。

観点 意味・働き
ラサ(味) 塩味はヴァータを鎮め、腸の乾燥をやわらげる。
グナ(性質) 重性・湿性。便を柔らかくし、排出を助ける。
ヴィパーカ(消化後の作用) 体内の水分と油分を保持し、潤いをもたらす。

つまり、「にがり」は乾燥タイプの便秘(ヴァータ性便秘)に適しています。
ただし、摂りすぎるとピッタ(火のエネルギー)を刺激し、下痢や胃腸の不快感を起こすため、「少量をやさしく」が基本です。

にがりをアーユルヴェーダ的に見ると? 塩味(ラサ):塩味はヴァータを鎮め、腸の乾燥をやわらげる。 重性・湿性(グナ):便を柔らかくし、排出を助ける。 効果(ヴィパーカ):体内で油分や水分を保つ方向に働く。 このように、にがりはヴァータ性の便秘に向いています。ただし過剰摂取するとピッタを刺激して下痢や胃腸の不快感を招くため、「少量をやさしく」が大切です。

にがりの安全な摂り方と注意点

にがりを便秘ケアに使う場合は、以下のように薄めて少量から始めるのが安心です。

    • 水200mlに「にがり」を1〜2滴加える

    • 朝の空腹時にゆっくり飲む

    • 1日5滴以内を目安に

    • 腎臓・心臓に疾患がある方は医師に相談を

高齢者の便秘とアーユルヴェーダの視点

アーユルヴェーダでは、加齢とともにヴァータが増える=乾燥・冷え・筋力低下が進む時期とされます。このため、腸の動きも弱まります。ですから、にがりでサポートしつつ、油分や温かさを与えることが大切です。体を温め潤いを保つことが大切です。

おすすめのサポート法

  • 毎日少量のギーやごま油を摂る

  • 白湯やハーブティーでこまめに水分補給

  • 温かい食事で消化力(アグニ)を守る

ヨガで腸を整える:便秘改善におすすめのポーズ

にがりだけでなく、ヨガのポーズや呼吸法を組み合わせることで腸の動きが自然に活性化します。

にがり活用+生活習慣で腸を整える にがりは“きっかけ”になりますが、毎日の習慣も大切です。 水分をこまめに摂る 季節の野菜や発酵食品を少しずつ 朝の軽いストレッチやウォーキング 深呼吸や瞑想で緊張をゆるめる これらを合わせることで、腸が自然に動き出す土台が整います。

便秘におすすめのヨガポーズ

  • パヴァナムクタアーサナ(ガス抜きのポーズ)
    仰向けで両膝を胸に抱える → 腸を刺激し、ガスや便の排出を助ける。

  • マッツェーンドラアーサナ(ねじりのポーズ)
    座って背骨をねじる → 消化力を高め、腸をマッサージ。

  • バッタコーナアーサナ(合せきのポーズ)
    骨盤周りを開き、下腹部をリラックス。

 呼吸法

  • カパーラバーティ(軽めに)
    お腹をリズミカルに動かし、腸を刺激。朝の習慣にもおすすめ。

  • 腹式呼吸
    下腹を意識して深く息を吸い吐く → アパーナヴァーユ(下向きの気)を整える。

リラクゼーション

シャヴァーサナ(仰向けの休息)+お腹に温かい手をあてて「呼吸をおへそに送るイメージ」で深呼吸。緊張がほどけ、腸が自然にゆるみます。排泄がスムーズになります。

にがり+生活習慣で心と腸を整える

にがりは「きっかけ」であり、整えるのは日々の暮らしの積み重ねです。

  • 水分をこまめに摂る

  • 季節の野菜・発酵食品を取り入れる

  • 朝に軽いストレッチやウォーキング

  • 深呼吸・瞑想で緊張を緩める

この「ミネラル+動き+呼吸」のトリプルケアで、腸が自ら動き出すリズムが生まれます。

まとめ

にがりは、海の恵みから生まれた自然のミネラルサポート
マグネシウムが腸をうるおし、アーユルヴェーダ的にもヴァータの乱れを整えてくれます。ヨガのポーズや呼吸法、そして日々の生活習慣を組み合わせることで、心も体も軽やかに整う便秘ケアが実現します。

少量・薄めて・やさしく続けること。
にがりとヨガで、自然にめぐる体を育てていきましょう。

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