冬至が過ぎ、新年に向かうこの時期は、心と体を見直す大切な節目です。
そのため、冬至 心 整える ヨガの視点から、忙しさで曇りがちな内側を静かに調えていく在り方について考えてみます。
魂は汚れない。曇るのは心である
冬至の時期に心を整えるヨガの考え方では、このように、私たちの本質は最初から清らかであると捉えます。
まず、根本となる考え方です。
カタ・ウパニシャッド 第2章 第2節 第1詩(2.2.1)
サンスクリット原文
न जायते म्रियते वा विपश्चिन्
नायं कुतश्चिन्न बभूव कश्चित् ।
अजो नित्यः शाश्वतोऽयं पुराणो
न हन्यते हन्यमाने शरीरे ॥
na jāyate mriyate vā vipaścin
nāyaṁ kutaścin na babhūva kaścit
ajo nityaḥ śāśvato’yaṁ purāṇo
na hanyate hanyamāne śarīre
魂は生まれることもなく、死ぬこともない。
どこから来たのでもなく、誰かによって作られたのでもない。
それは生まれず、永遠で、常住であり、
身体が滅びても滅びることはない。
▶ 本質(魂)は汚れない。曇ったように感じるのは、心や思考の層なのです。
忙しさは、内側を覆っていく
一方で、日々の忙しさ、やるべきこと、情報の多さ。
それらは悪いものではありません。
けれど、智慧は次のように語ります。
バガヴァッド・ギーター 第3章 第38節(3.38)
サンスクリット原文
धूमेनाव्रियते वह्निर्
यथादर्शो मलेन च ।
यथोल्बेनावृतो गर्भस्
तथा तेनेदमावृतम् ॥
dhūmenāvriyate vahnir
yathādarśo malena ca
yatholbenāvṛto garbhas
tathā tenedam āvṛtam
火が煙に覆われ、
鏡が埃に覆われ、
胎児が膜に包まれているように、
智慧は覆われている。
▶ この「覆い」は、特別な罪や過ちではなく、
日常の活動そのものによって生じます。
だからこそ、立ち止まる時間が必要になります。
行為よりも大切なもの
大掃除をするか、しないか。
それ自体が問題なのではありません。
そのため、問われているのは、どんな心で行うか。つまり、問題なのは魂ではなく心です。
バガヴァッド・ギーター 第3章 第19節(3.19)
तस्मादसक्तः सततं
कार्यं कर्म समाचर ।
असक्तो ह्याचरन् कर्म
परमाप्नोति पूरुषः ॥
tasmād asaktaḥ satataṁ
kāryaṁ karma samācara
asakto hy ācaran karma
param āpnoti pūruṣaḥ
それゆえ、執着なく為すべき行為を行いなさい。
執着なく行為する者は、至高に至る。
▶ 行為は問題ではなく、執着が心を重くするのです。
新年という区切りに、本質はない
暦が変わること自体に、解放や完成があるわけではありません。
バガヴァッド・ギーター 第8章 第16節(8.16)
आब्रह्मभुवनाल्लोकाः
पुनरावर्तिनोऽर्जुन ।
मामुपेत्य तु कौन्तेय
पुनर्जन्म न विद्यते ॥
ā-brahma-bhuvanāl lokāḥ
punar āvartino’rjuna
mām upetya tu kaunteya
punar janma na vidyate
この宇宙のあらゆる世界は、繰り返しの中にある。
しかし、真理に至った者には、再び迷うことはない。
▶ 重要なのは「年」ではなく、意識の向きです。
年の終わりに大切にされてきた実践
古代の智慧が重視してきたのは、「思い出すこと」「立ち返ること」。
シュリーマド・バーガヴァタム 第7巻 第5章 第23節(7.5.23)
श्रवणं कीर्तनं विष्णोः
स्मरणं पादसेवनम् ।
अर्चनं वन्दनं दास्यं
सख्यमात्मनिवेदनम् ॥
śravaṇaṁ kīrtanaṁ viṣṇoḥ
smaraṇaṁ pāda-sevanam
arcanaṁ vandanaṁ dāsyaṁ
sakhyam ātma-nivedanam
聞くこと、語ること、思い出すこと、敬意をもって仕えること。
それらが、人を内側から整えていく。
新しい年は、すでに始まっている
冬至から新年へ向かう流れの中で、心を整えるヨガの実践は、日常に静けさを取り戻す助けになります。カレンダーが変わることで、新しさがやってくるわけではありません。
気づき直すこと、そして向きを整え直すこと。
冬至 心 整える ヨガという視点で見ると、この時期は外よりも内側を調えることが大切だとわかります。ここで大切なのは、行為そのものよりも意識の向きです。
このように、冬至明けは内側を整える時期なのです。その一瞬一瞬に、新しい流れはすでに始まっています。冬至明けの静かな光の中で、外より先に、心を整える時間を。
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▶参考リンク
・Upanishads(古代インド哲学の基礎概念)
https://iep.utm.edu/upanishads/

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